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東京都釣りインストラクター連絡機構

2019年9月5日(木)栃木県漁業協同組合連合会 種苗センターを訪ねて

種苗センターとしては既に採卵の繁忙時期に差し掛かっていましたが、急遽9月5日なら見学させていただけるとのことで、渡良瀬漁協組合長、東京都釣りインストラクター連絡機構のメンバ3名(いずれも World Fly Fishing of Japan 所属)が参加し、貴重な体験・勉強をさせていただきました。

栃木県には海はなく、当種苗センターはアユの再生産を行っていると聞いていたので、てっきり淡水のみで養殖しているものと思いきや・・・・・

当然と言えば当然かもしれないが、アユは両側回遊魚の範疇であり、晩秋、下流部で産卵され孵化した仔魚は、冬の間は比較的温暖でエサの豊富な海に下り、 動物性プランクトンを鱈腹捕食して育ちます(鮎の生態については、東京鮎毛バリ釣り研究会のHP:http://to-ayukebari.life.coocan.jp/index.html に詳しく紹介されていますので、以下は省略)。

ここでも仔魚の間は人工海水を用いて、マダイなど他の海水養殖魚と同様、仔魚のエサとしてシオミズツボワムシを与えています。ところが、他の種苗センターと異なり、この期間をより天然魚と近づけているそうです。当然コストはかさみますが、様々な面で強い・良質の個体に育つようです。

それには、極めて生産性が高いばかりでなく栄養価に優れているシオミズツボワムシのここ独自の生産方式がキーとなっているようです。種苗センターの皆様方のご苦労が良く分かります。以下、画像を用いて紹介します。

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①先ずは飼育棟入り口で履き物、手を消毒。

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②当種苗センターが独自に開発した人工海水濾過機。海から遠いので人工海水は濾過して循環して使用します。

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③8月28日に孵化した、孵化後8日目の仔魚(ビンの底にいます)

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④仔魚へのエサ(シオミズツボワムシ)やり。

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⑤生物餌料(シオミズツボワムシ)培養池

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⑥生物餌料(シオミズツボワムシ)のエサとなる淡水クロレラの培養

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⑦養殖ではアユのエサには藻類ではなく動物性のものが中心に使われます。それなのに、露地池に近付くとスイカの香りがします。アユの香りはアユ体内の脂肪酸がアユ自身が持つ酵素で分解されるときに出る副産物とされています。

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⑧地元の方には受けが今一とのことですが、今後栃木の名産品として販売企画中のジャンボアユ(尺を超える巨大なものが!)。なかなか美味しいですよ。

このサイズが放流されることもあるそうです。恐るべし!栃木のアユ川。

親魚は栃木県内の河川のものかお聞きしたところ、さまざまな地域のものも飼育されているようで、中には奈良県の七色ダムといったダム湖産のものも飼育しているそうです。天然遡上のない河川向けには友釣りに適したアユも生産しているとのことです。

また、露地池内のアユはユスリカを捕食していないかとお聞きしたところ、おそらく食べていると思いますとのことでした。

我が国は魚と共に歩んできた魚食文化を、長年に亘り大切にしてきました。ところが、近年、魚離れと言うか?特に淡水魚においては食品ではなく、どちらかと言えば嗜好品に近い存在に変化しているように感じます。 元来、アユは淡水食用魚の代表的存在です。この美味しい、しかも栄養価の高いアユを大いに釣って(もちろん、水産資源保護法、都道府県内水面漁業調整規則、内水面漁場管理委員会指示、遊漁規則などに則ってのことですが)、もっともっと食べようではありませんか!

なお、写真撮影については栃木県漁業協同組合連合会 種苗センター様の許諾を得ています。

鈴木 伸一 報告

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