2010年3月20日(土) ヤマメ発眼卵埋設BOX回収
昨年の11月に行ったヤマメ発眼卵の埋設放流に用いたバイバードボックスの回収作業が奥多摩キク沢水系の某沢で実施された。 昨晩から今朝に掛けての激しい雨を伴った春の嵐も、我々が現地に到着する頃には治まり、初夏を思わすような爽やかな好天に恵まれた。 JOFI東京からは、勝島会長を始めとして10名が参加した。
息を切らせながら沢沿いの登山道を上っていくと、額には汗が滲んでくる。我々が彼等の縄張りを侵してしまったので警戒しているのあろうか? それとも、我々に興味を持ったのであろうか? 1羽のミソサザイ♂が我々とつかず離れず程よい距離を保ちながら、「ピィツィビルルー、ピーチィチョピルル・・・」と美声を張り上げながらついてくる。 ミソサザイはあの小さな体で、一体どうしたらあのように声量豊かに囀ることができるのであろうか?
バイバードボックスを格納したステンレス製の籠は4箇所とも、悪戯されたようなこともなく、出水で流されるようなこともなく、すべて昨年設置した位置に見つけることができた。
ステンレス製の籠の上面を覆った金網を取り外し、
バイバードボックスの中を確認すると、何れのバイバードボックスにおいてもヤマメの稚魚はおろか、死卵、死んだヤマメの稚魚すらも一切残ってはいなかった。 すべての発眼卵から稚魚が孵化し、すべての稚魚がバイバードボックスから抜け出したとみなしてよいものなのであろうか?
また、発眼卵の埋設放流を行った淵尻の辺りでは稚魚の群れ泳ぐ様も確認することはできなかった。 今年は春先から度々出水があったので、孵化した稚魚達は流れに乗って下ってしまったのであろうか?
それでも放流地点から少し下流にある流れの緩い浅瀬で、合計8匹の3cmほどに育った稚魚が確認できた。 やはり、自分達で放流した発眼卵から孵化した稚魚を見ることは、とても嬉しいものである。 また、我が子のように可愛らしいものでもある。
微力ではあるが、我々の手で少しでもキク沢水系のヤマメ増殖に役立てればと願うばかりである。